春の新生活 2023 応援特集（下）

2023年3月3日

間もなく新年度。生活に変化が生じたり、新しいことにチャレンジしようと考えていたりする人も多いのでは。先週に引き続き、新生活や新たなスタートの役に立つ情報をご紹介します。

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春の家計見直し専門家がアドバイス「3つのことに取り組もう！」

春は新生活にわくわくする一方で、入学や進級、引っ越しなど何かと出費がかさむ時季でもあります。そこで、ファイナンシャルプランナーの浦田幸助さんに、この春に取り組みたい家計見直しのポイントを聞きました。

春は家計を見直すのにお勧めの時季。理由は、新生活を迎えるにあたり家計に変化が生じることがあるからです。例えば、進学や就職でお子さんが親元を巣立ったり、転勤に伴い家族で引っ越ししたりすれば、家賃や保険料などの支出も、給料などの収入も変わる可能性があります。

さらに、新生活が始まってからではバタバタして対策を立てるのが大変なので、早めに見直しに着手することをお勧めします。

とはいえ、何から手を付けてよいのか分からない人も多いのでは。まずは3つのことに取り組んでみましょう。

教えてくれたのは

CFP（R）ファイナンシャルプランナー浦田幸助さん

本紙で「“お金のプロ”がズバリ！家計簿チェック」連載中。浦田幸助FP事務所所長。
https://www.sfpmoney.jp/

（1）家計簿アプリで収支を把握！

まず取り組んでほしいのが、月々どれくらいお金を使っているかを把握すること。そのために役立つのが家計簿です。とはいえ、毎日つけるのは面倒という人も多いでしょう。そんな人の強い味方になってくれるのが、パソコンやスマートフォンを使った「家計簿アプリ」。スマホのカメラでレシートを写すだけで自動的に支出を記録できたり、金融機関の口座やクレジットカードと連動させれば入出金履歴や残高を計算してくれたりするなど、アプリによっては便利な機能がいろいろあります。

アプリの種類によっては、支出をグラフで示してくれる機能があり、それを見ると自分が何にお金を使っているのかを分かりやすく把握できるのでお勧めです。その中で、特に注目してほしいのが、住宅ローンや家賃などの住居費、車のローン、保険料といった毎月決まった金額がかかるお金、いわゆる固定費です。この春は、固定費の内容と金額を点検して、少しでも節約できないかを考えてみましょう。

CHECK

固定費は把握しているつもりでも、グラフで見ると支出の大きな部分を占めていることが改めて分かります。この部分を少しでも減らすことができれば、大きな成果になるのです。その理由は、次のページで解説します！

（2）保険を点検しましょう！

固定費を減らせばなぜ大きな成果につながるのか。それは、一度減額すれば年間12カ月分の節約につながるからです。もちろん、食費や交際費、娯楽費などをコツコツ減らすことも節約につながりますが、成果が表れるのは、節約したその時だけ。だからこそ、まずは固定費の節約に取り組んでほしいと思います。その一つが保険です。保障内容は適正か、同じ保障内容が他の保険商品で今より低料金で受けられないかを調べてみることをお勧めします。お子さんの進学など生活環境が変わる春に、ぜひ保険を点検してみてください。

保険の見直し例

＜保険加入時＞

状況
●夫（会社員）収入／月25万円
●妻（パート）収入／月5万円
●生活費／月20万円
●将来に必要な教育費／2400万円（2人分）
●妻65歳まで末子22歳までの夫の必要保障額は約3000万円

選んだ保険は

65歳まで3000万円のA生命保険会社の定期保険
●月保険料7140円

40歳時に見直し

＜40歳時＞

状況
●夫（会社員）収入／月35万円
●妻（パート）収入／月5万円
●生活費／月20万円
●将来に必要な教育費／1800万円（2人分）
●妻65歳まで末子22歳までの夫の必要保障額は約1850万円

選んだ保険は

65歳まで月10万円のB生命保険会社の収入保障保険（40歳時点で死亡の場合、まとめて受け取る場合1900万円）
●月保険料2831円

月保険料軽減額は4309円
年間5万1708円の削減に！

（3）ローンを点検しましょう！

次に点検してほしいのが、住宅や車のローンです。低金利に見直す余地がないかなど、借りた金融機関や私たちのようなお金の専門家に相談してみてください。また、持ち家でなく賃貸にお住まいの方も、同程度の間取りや設備で家賃が安い物件がないか調べてみるのもよいでしょう。

住宅ローンの見直し例

＜見直し前＞夫35歳時に住宅ローン借り入れ

●借入額3000万円
●金利1％
●返済期間35年
●月返済額8万4685円

見直し案（1）

夫45歳時に住宅ローン繰り上げ返済
●繰り上げ返済額100万円（返済額軽減型）
●月返済額8万917円

返済軽減額は月3768円
総返済軽減額は13万643円

見直し案（2）

夫45歳時に住宅ローン繰り上げ返済
●繰り上げ返済額100万円（期間短縮型）
●返済期間33年9カ月

総返済軽減額は27万5083円

見直し案（3）

夫45歳時に借り換えた場合
●金利0.5％借り換え手数料68万円
●月返済額7万9694円

返済軽減額は月4991円
総返済軽減額は81万7331円

これに決定！

固定費の見直しで大きな成果を！

2つの見直しによって、月々の保険料4309円減＋住宅ローンの支払い（見直し案（3））

4991円減×12カ月＝年間11万1600円の節約に！

まずは家計簿アプリでお金の出入りを視覚化し、現状を把握することが重要です。保険は、加入から時間がたつと今の生活と保障内容がマッチしていないことも多いためライフステージの変化に合わせて見直しを。万が一の入院・手術時には公的な高額医療費制度も利用できるので、貯蓄で賄えない部分を保険でカバーするような考え方も大事です。また、住宅ローンを借りている人は、契約時よりも金利が0.5%以上低ければ返済額を減らせる可能性があり、借り換えを検討してみるのもお勧めです。ただし、変動金利は金利上昇に注意しましょう。