譲渡会という選択肢【村上美香のヒトコトつれづれ】
熊本県動物愛護センターのオンライン譲渡会に行ってきました。Zoom(ズーム)を使った譲渡会で、私はナビゲーターとして職員さんたちと一緒に、保護犬・保護猫をそれぞれ10匹ずつ紹介しました。
1匹当たり4分間の持ち時間で、散歩が可能か、シャンプーを嫌がらないか、病気の有無などを説明。配信中、カメラの前で緊張して固まってしまった犬もいれば、注目されていても「われ関せず」と眠ってしまった猫もいて、動物たちの個性もチラリ。当日の視聴者数は決して多くはなかったですが、「現在飼っている猫と一緒に暮らせそうでしょうか」「体重は何キロですか」など積極的な質問が寄せられました。
私が初めて県動物愛護センターに取材に行ったのは2006年。当時は熊本県(熊本市を除く)で年間5714匹もの犬が殺処分をされていました。センター職員が「ここで働いていることを知られたくない」と話していたことを昨日のことのように思い出します。
今回の譲渡会で、同センターが以前のように「閉じられた世界」ではなくなったことを実感しました。2020年の県内の犬の殺処分数は983匹まで減少。背景には、「動物を管理から愛護の対象へ」という時代の変化や、地道に動物たちの世話を続けるボランティアさんなどの努力があります。目的は殺処分ゼロではなく、保健所や動物愛護センターへの収容数を減らすこと。私も微力ながら「動物を飼う時に譲渡会という選択肢がある」ことをもっと伝えたいと思いました。