祖母の手縫いの振り袖 友人の娘さんへ【村上美香のヒトコトつれづれ】
15年ぶりに引っ越しをしました。普段からあまりモノを持たないようにしているつもりでも、引っ越しをするとなると自分の所有しているモノの多さに驚きます。断捨離のいい機会でしたので、いろんなモノを見直しました。
ちゃんと使っているモノって意外と少ないんですね。必要なモノだけを選び出し、整理をして身軽になったのは良かったのですが、使い古したモノ、数年使っていないモノなど大量に出るゴミを見てため息。さらに埋め立てゴミを処分場に持ち込んで、心が痛くなりました。これからは持ち物を厳選し、むやみにモノを増やさないぞ ! と心に決めました。
これまで集めていた観葉植物は一鉢ずつ友人たちにもらってもらい、本は図書館へ。そうやって片付けをしていると、赤い振り袖が出てきました。成人式の時に着用したきり、たんすの中に眠っていた振り袖は、和裁をしていた祖母の手縫い。大好きだった祖母と一緒に反物を見に行き、「若い女の子には赤が映えるからね」と祖母が選んでくれたんです。そして丸まった背中で窓際に正座をし、着物を縫ってくれていた姿を思い出し、温かい気持ちになりました。
さすがに、今後着ることはないので、来年成人式を迎える友人の娘さんにもらってもらいました。他にも娘さんがいる友人が多いので、その振り袖を成人式ごとに着まわしてくれることになりました。友人のかわいい娘ちゃんたちが次々に着てくれると思うととってもうれしい、祖母もきっと喜んでいるはずです。