【407号】カルチャールーム – 円盤で時間旅行 嶋田宣明
インフルエンザで発熱 頭の中で流れたナンバーは…
毎年流行に乗り遅れていた私が、今年生まれて初めてインフルエンザA型という最先端の流行にのっかる羽目となり、あらためて健康の大切さに気付かされました。
「私はインフルエンザには、かからない」と何を根拠にそう思っていたのか、変な自信による不摂生によって、まんまとウイルスに侵されるという事態に…。病院では通常の患者の待合室と、ウイルス感染者の待合室は、きっちりと分けられていました。「嶋田さまは検査結果が出るまでは、あちらのスペースでお待ちください」と、まるで病原菌の塊(結果、そうだったのであるが)のような扱い。目の前には、その狭いスペースにはとても似つかわしくないサイズの、ばかでかい空気清浄機がゴーゴーと空気を洗っておりました。
A型確定を言い渡された診察後、調剤薬局で薬を受け取った時に頭の中に流れてきたのが、1971年に発売されたアントニオ古賀の「クスリルンバ」。ラテンのスタンダード「コーヒールンバ」のメロディーに合わせて、当時市販されていた医薬品の商品名を延々と並べて歌うというパロディーソング。熱にうなされていたからだろうか、今回の治療で処方された薬の名前を、そのままこの曲にのせて歌えないものだろうかなどと、くだらないことを考えながら病院を後にしました。
※今回紹介したレコードは2月20日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。
しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。