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「自分はよくやっている!」定期的に褒めて活力に【となりのあの子Web版 Vol.35】

先日、ある若者と話をしていました。なかなかしんどい環境で生まれ、子どもの頃に児童相談所に保護されたその若者。トナリビトで住居支援を受けていた時も、仕事が思うように続けられず、何度もトライして撃沈して…を繰り返した子でした。

その子がふとこんなことを言いました。「トナリビトを卒業してから、自分あんま良いとこ見せられてないよね」。私が「え!そんなことないやん」というと、その子は「え、そうかな」と意外そうに答えました。「だって生きてるやん。仕事してるし、恋人いるし、実家出たし、卒業した時に考えてたこと全部かなえて、めっちゃ頑張ってる。ていうか、そのままの姿で全然ええんやけど」と言うと、「そう思ってくれてるなら良かった!まぁ自分的には全然まだまだですけど…笑」とちょっと照れくさそうに言うのです。

思い通りに行かない中で、できない言い訳をしながらも、その子なりにもがいて、足掻いて、成長してきた姿を見てきたので、出会ったときに比べてすごく変わったなぁ!と思います。昔は甘えん坊だったその子も、今はたまに「今月厳しいから米送って」とSOSが来る程度。そのときには「了解!しっかり頑張れよー!」とエールと一緒に食料品を送っています。

子どもが若者になり、若者が大人になって行くプロセスは本当に気が遠くなるほど時間がかかりますが、若者たちはそれぞれのスピードで、着実に歩みを進めていくから凄いなぁと思います。

でもきっとその子の中には、「早くもっと“ちゃんと”しないと」「まだ迷惑かけてる」…そんな気持ちがあったんだなぁと思いました。「もっと○〇できるようになりたい」「まだまだ出来てない」という気持ちは、成長プロセスにおいては大事な気持ちです。大きなモチベーションにもなります。

だから、その子がそう感じて、成長していってくれることはとってもうれしいことです。でもたまには、今の自分をそのまま褒めてあげてほしいと思います。そしてそれは大人にとっても同じ。定期的に「私/俺、よくやってる!」と褒めてあげて、また新たな一歩の活力にしていきましょう!=終わり

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

NPO法人トナリビト代表。親を頼れない子ども・若者や社会的養護出身者を対象に自立支援シェアハウスIPPOを運営する傍ら、相談窓口・居場所スペース、就労支援ネットワーク、学習支援、普及啓発活動等を通じて支援を行っている。

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