共働き夫婦のお小遣いのルール|金額の基準と最初に決めておくべきこと
お小遣いとは、趣味や飲み会、洋服代など、夫婦それぞれが自由に使えるお金のことです。
共働き夫婦のお小遣いは、お互いの収入や生活環境により異なるでしょう。そのなかで、どうやってお小遣いの金額を決めるのか、どんなルールを作っておくのか悩む夫婦も多いはずです。
お小遣い制を嫌がる方もいるようですが、生活費を安定させるため、貯蓄をするためには、導入したほうがよいケースもあります。
夫と妻がお互いに不満を持たず、お小遣い制を導入するために知っておきたいポイントを紹介します。
共働き夫婦は「夫婦ともにお小遣い制ではない」ケースが多い
くまにちすぱいすでは、現在結婚されており、かつ共働きをしている男女100名を対象に、「夫婦のお小遣いに関するアンケート」を実施。その結果、「夫婦ともにお小遣い制ではない」と回答した方が56%という結果になりました。
調査実施:クラウドワークス
調査期間:2023年7月7日
回答者数:25~45歳の共働き夫婦の男女100名を対象
「夫婦ともにお小遣い制ではない」と回答した方の意見はこちら。
■「夫婦ともにお小遣い制ではない」方が感じるメリット
お小遣い制ではないメリットは、お金に縛られるストレスがないことといえるでしょう。
■「夫婦ともにお小遣い制ではない」方が感じるデメリット
お小遣い制ではない場合、貯金ができない、お金の使い方で喧嘩につながるといったデメリットもあるようです。お金を計画的に使える方にとってはメリットが大きいですが、つい使いすぎてしまう方にとっては、お小遣い制ではないマイナスの影響が出やすいと考えられます。
夫のお小遣いは月2~3万円が多い
お小遣い制、または自由に使えるお金を「お小遣い」としている男性の場合、毎月2~3万円と回答した方が31%と最も多い結果になりました。
調査実施:クラウドワークス
調査期間:2023年7月7日
回答者数:25~45歳の共働き夫婦の男女100名を対象
続いて「決めていない」が29%、3~4万円が22%となっています。3万円前後を目安にお小遣いとしている家庭が多いのかもしれません。
■毎月のお小遣いが2~3万円の男性の意見(40歳/男性)
夫のお小遣いを2~3万円設定している妻のなかには、このような意見もありました。
■夫のみお小遣い制の妻の意見(32歳/女性)
夫がお小遣い制にしていることは、妻にとって大きなメリットになることもあるようです。なかには、夫はお小遣い制、自分はある程度自由に使っている女性も。
妻のお小遣いは決めていないことが多い
女性の場合、お小遣いの金額を「決めていない(月によって異なる)」と回答した方が48%と半数近い結果になりました。
調査実施:クラウドワークス
調査期間:2023年7月7日
回答者数:25~45歳の共働き夫婦の男女100名を対象
この場合、「夫より妻のほうが自由にお金を使っている」というよりも、お小遣い制ではないが家計をやりくりしながら、ある程度決められた金額のなかで、好きなものなどを購入しているとも考えられるでしょう。
■毎月のお小遣いを決めていない女性の意見(33歳/女性)
お小遣い制ではない場合、どうしても使いすぎてしまう方が多いようです。お金を使いすぎる癖がある方は、「夫も使いすぎているのでは」と疑問に感じることも。
自分が使いすぎているため、パートナーに聞かれて答えるのが億劫なので、自分からは聞かないようにしている方もいるのかもしれませんね。
お小遣いは「世帯収入の10%」を基準にして決める
「夫婦のお小遣いはどうやって決めるのか」を考える基準として、世帯収入の10%という数字を目安にすることがあるようです。
たとえば世帯収入が毎月60万円の家庭の場合、毎月のお小遣いは「夫婦」で6万円。夫と妻が3万円ずつのお小遣いで均等にするか、夫が4万円、妻が2万円のように個別で設定するかは夫婦次第です。
世帯収入の10%はあくまでも目安であるため、家庭の状況により上下させることもあるでしょう。
共働き夫婦が決めておきたいお小遣いのルール
これからお小遣い制を取り入れる夫婦は、夫と妻それぞれから不満がでないように、3つのルールを決めておきましょう。
どちらかに不満があるお小遣い制では、うまく家計管理ができないことも。最初のルール設定が、お金のやりくりをうまく続けるコツです。
お小遣いから捻出する費用を明確に決めておく
たとえば夫の毎月のお小遣いが30,000円とします。そこから、夫の昼食代やスマホ料金は捻出するのか、それらは生活費から別途出費するのかを最初に決めておく必要があります。
昼食代をお小遣いから出す場合、金額次第では渡した現金だけで足りないときもあるでしょう。明確な基準を決めないままお小遣い制にすると、夫婦ともに不満が募ることも考えられます。
夫が出費する費用を考えたうえで、お小遣いから出す費用、生活費にするお金を明確に決めたうえで、お小遣い制を導入しましょう。
臨時収入の取り扱いを決めておく
ボーナスなどの臨時収入があったとき、そのお金はどうするかも最初に決めておきましょう。
臨時収入があったときに決めるのもよいですが、あらかじめ決めておくほうが家計の管理がスムーズになるでしょう。
急な出費があってもお小遣いを減らさない
家電が壊れた、車の修理が必要になった、病気や怪我で治療費が必要になった……など、生活のなかで突然の出費が発生することもあります。なんらかの事情で生活費が圧迫された場合でも、極力夫婦のお小遣いを削ることはしないようにしましょう。
自主的に「先月は出費が多かったから、お小遣いを減らしてもよい」というケースは問題ありません。しかし、一方的にパートナーのお小遣い減額を強制することは避けましょう。
生活費が圧迫されたときは、まずはお小遣い以外の部分から調整することをおすすめします。
共働き夫婦向けのお小遣いの決め方
共働き夫婦の場合、お小遣いの金額の割合や出し方も悩みのひとつ。ルール以外にも、お小遣いの金額も話し合って決めておきましょう。
夫・妻が別々の金額のお小遣い
夫は4万円、妻は2万円のように、お金を使う頻度などにあわせて、夫婦それぞれで異なる金額を設定する方法です。自分の収入からお小遣いを出したい場合は、収入に応じたお小遣いを設定します。
外食をあまりしない、趣味にお金を使わない方の場合は、お小遣いを減らして生活費や貯蓄に回すのもよいでしょう。
夫婦が同額のお小遣い
夫婦で共同の口座・財布としている場合や、収入の差がない場合は、夫と妻で同額のお小遣いにするのもよいでしょう。
お小遣いが平等であるため、夫婦間でお金の不満が出にくいことがメリットです。
生活費や貯蓄以外をお小遣いにする方法
夫婦の財布は別で、それぞれが生活費や貯金などの「家に入れるお金」以外は、自分のお小遣いにする方法もあります。
お小遣いが定額ではないため、お小遣いが足りないストレスは抱えにくいでしょう。しかし、毎月の収入が変動しやすい方はお小遣いに余裕のある月もあれば、極端に少なくなる月もあるため不便に感じることがあるかもしれません。
お小遣い制に不満あり?続けるコツとは
家計のため、将来のためにお小遣い制を導入したくても、パートナーから不満が出ることもあります。不満やストレスなくお小遣い制にするためには、ここで紹介する4つのポイントをチェックしておきましょう。
お小遣いの使い道には口出しをしない
「◯◯にお金を使うのはムダ遣いだ」など、お金の使い道に文句を言ったり、細かく把握しようとしたりするのは、お小遣い制が嫌になる理由のひとつです。
毎月数日でお小遣いを使い切ってしまう、追加のお小遣いを要求するなど、よほどのことがない限りは、使い道に口出しをしないのがおすすめです。
夫婦とはいえ、すべてを把握しようとするとストレスがたまります。パートナーを信じることも大切であるため、しつこく聞かないようにしましょう。
臨時出費の際は現金を渡す
忘年会や新年会の飲み会、冠婚葬祭に関する費用など、臨時出費の際は追加で現金を渡すようにしましょう。
年末年始の飲み会シーズンは、飲み会の代金がお小遣いだけでは足りないことも少なくありません。飲み会の前日や当日に必要なぶんお金を渡しておくことで、お小遣い制でもストレスを感じる頻度が少なくなります。
臨時収入があったときはお小遣いのプラスアルファとして渡す
たとえば夫に臨時収入があったとき、すべて生活費や貯蓄に回すのではなく、一定の割合の金額をお小遣いとして渡すルールを決めておくのもよいでしょう。
20万円の臨時収入があったとき、1割である2万円を夫に臨時のお小遣いとして渡す方法です。
お小遣いが増えれば、誰でもうれしいもの。お金に余裕があると心にも余裕が出るため、夫婦間でのお金のストレスも軽減できそうです。
夫婦が納得する「お小遣い制にする理由」を考える
「なぜお小遣い制にするのか」という、納得できる理由を考えるのもよいでしょう。
このように、理由と具体的な金額を決めておくことで、目標に向かいやすくなります。家族のため、子どもの将来のためであれば、ムダ遣いを減らせるよう意識しやすいでしょう。
共働き夫婦のお小遣いが足りなくなったときの対処法
頑張ってやりくりをしていても、限られたお小遣いのなかではどうやっても足りないこともあるでしょう。このようなときは、すぐに追加でお小遣いアップを要求するのではなく、工夫をしてみましょう。
節約できる部分はないか見直す
普段から気をつけたい方法として、日々「どんなことで節約できるのか」を考えてみましょう。
ランチで外食をしている方は、週に1回だけでもお弁当の日を決める、ペットボトルのお茶や水を買う人は水筒を持参するなど。毎日100円節約するだけで、1カ月3,000円近くの節約ができます。
まずは、1日数十円から100円程度の節約ができるポイントを見つけてみてください。空腹を我慢するなど、大幅な節約は心身の大きなストレスになります。ストレスがたまってお金を使ってしまっては本末転倒のため注意しましょう。
フリマアプリやオークションでお小遣いを稼ぐ
フリマアプリやオークションは、誰でも無料で利用できるサービスです。自分には必要ない捨てるようなものであっても、他人には数百円~数千円出しても欲しいものである可能性があります。
着なくなった服、読み終わった漫画、スポーツの応援グッズなど、意外と高値で売れるかもしれません。出品や発送の手間はかかりますが、コツコツ頑張っていればまとまったお金になることも期待できます。
夫婦で、出品できそうな不要品がないか探してみましょう。
副業・在宅ワーク・ポイ活で稼ぐ
慢性的にお小遣いが足りないときは、副業や在宅ワーク、またはポイ活などを検討するのもよいでしょう。
本業が休みの日や隙間時間を利用して副業や在宅ワークをすれば、月に数千円程度お小遣いにできる可能性があります。ただし、本業に影響が出ない程度で無理をしないようにしましょう。
アンケートに答える、アプリをダウンロードするなどの「ポイ活」は、1件数円~数十円程度のポイント獲得をしていく作業です。仕事の休憩時間や通勤時間などに、毎日コツコツ作業をすれば、ちょっとしたお小遣いになるかもしれません。
共働き夫婦だからこそきっちりとお小遣いを管理しよう
共働き夫婦であれば、収入次第で家計に余裕が出る可能性もあります。しかし、自由にお金を使ってしまっていては、将来に関するお金が貯蓄できないため、お小遣い制を導入するのもよいでしょう。
まずは夫婦で「毎月いくらのお小遣いにするか」を充分に話し合ってみてください。そして、どのお金をお小遣いから出すか、臨時収入・出費はどういう扱いにするかなど最初に決めておき、トラブルがないようお小遣い制に慣れていきましょう。