コロナ禍で成長中 移動販売に注目
キッチンカーをはじめとする「移動販売」が、コロナに負けず、いま盛り上がりを見せています。イベントや店舗の駐車場などで見かけることも多くなりました。そこで、今どきの移動販売の楽しみ方をご紹介します。
週末の屋外がおいしい&楽しい +Ba(プラスバ)に潜入!
販売する人とお客さんの距離が近いだけでなく、おしゃれな車や映えるメニューを楽しめるのも移動販売の魅力。安心して人が集まれる屋外で移動販売車などが多数出店するイベントも増えています。そこで、荒尾市で毎週開かれている「+Ba(プラスバ)」に潜入してきました!
まるでテーマパーク
毎週土・日曜と祝日、キッチンカーや移動販売店が集まることで人気のスポットとなっているのが荒尾市の「+Ba(プラスバ)」。週末にキッチンカーでカフェを営む吉丸健児さんが、昨年10月にオープンしました。広いスペースは駐車エリアと販売エリアに分けられ、密を避けながら安心して買い物を楽しめます。
「プラスバは〝プラスの価値を提供するための場所〟という意味。出店ジャンルは決めていないので、今週末はどんな店が集まっているかなとワクワクしてもらいたい」と吉丸さん。
カレーやピザ、スイーツ、コーヒーなどのキッチンカーだけでなく、占いや雑貨店があったり、ワークショップが開かれたりとさまざま。「ここは非日常空間。子どもたちも、いろんな店を回ってテーマパーク気分で楽しんでくれています」
本業は自動車整備や農機具の修理、フルオーダーのキッチンカー製作・販売
「+Ba(プラスバ)」
住所 | 荒尾市野原1711 |
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Webサイト | https://plusba.jp/ |
営業時間 | 9:00〜19:00 |
休業日 | 土・日曜、祝日オープン |
LeaLea kitchen
県産米粉を使ったグルテンフリーのチュロス専門店。「ここは出店者間のコミュニケーションも良く、お互いの商品を買って楽しんでいます」とオーナーの川口彩さん。出店情報はインスタグラム「lealea.kitchen」で
Krossa blooma
ドライフラワーリースやスワッグなどを販売。オーナーの杉野依見さんは「大牟田市から4回目の出店です。プラスバのお客さんは老若男女バラエティー豊か」と笑顔。出店情報はインスタグラム「krossa_blooma」で
小ぶりなスワッグからミモザのリース(3800円)までかわいいアイテムがそろいます 小ぶりなスワッグからミモザのリース(3800円)までかわいいアイテムがそろいます
コラッジョ
週末限定でピザを移動販売。「熊本の自然が育んだおいしい野菜を使い、生地も小麦から水・塩まですべて県産にこだわっています」とオーナーのYU‐KIさん。出店情報はインスタグラム「pizza_truck.coraggio」で
カラフルなキッチンカーがずらりと並びます!
こだわりの移動販売でどこへでも
マルシェやイベント会場などに出店する2組に、移動販売を始めたきっかけや、こだわりなどを聞きました。
大学生のジュース屋さん My Way
生産者の思いを若者に
有機栽培の果物を使ったジュースを移動販売する、崇城大学4年の中川天馬さん(22歳)と酒井光さん(21歳)。授業で有機栽培農家を取材した際に、栽培の苦労や生産者の思いを知り、それを若者に伝える方法はないかと模索したことから移動販売を思いつきました。「イチゴやマンゴーなどを使い、インスタ映えを意識した商品作りや、SNSを使った販促に力を入れています」
イベントなどの出店先で知り合った同業の先輩たちとは積極的に情報交換し、「アドバイスをもらえる関係づくりを心掛けています」と、笑顔で話してくれました。
出店情報はインスタグラム「my._.way_11」で
アクセサリーの移動販売 nizi marche(ニジマルシェ)
お客さんに“いま”届けたい
全国から20名を超す作家のハンドメード作品を集めて販売しています。オーナーの草野仁美さん(32歳)が移動販売を始めたのは、コロナ禍で祖母と会えないまま別れを迎えたことがきっかけだといいます。「お客さんが出かけられる日を待つのではなく、少しでも多くの方に、いま、作品をお届けしたいと思いました。遠くまでは行けないけれど、かわいい物を見たいと思ったときには、インスタグラムのDMで気軽に呼んでください」
アクセサリーはもちろん、日常にあると便利な作品や“かわいい”を詰め込んだ作品がたくさんあります。また、ハンドメードを始めたい人を応援する店舗も近日開店予定です。
出店情報はインスタグラム「nizi.marche」で
店舗より低資金で開業できるキッチンカーが人気
移動販売が増えた理由にはキッチンカーの進化もあります。車を製造する会社の代表に聞きました。
移動販売車の製作から開業に向けたコンサルティングまでワンストップで請け負います。
https://www.kitchencar-kyushu.com/
法改正で新基準設定 メニューが多彩に
人が集まる場所に出店できる利点を生かし、店舗営業から移動販売へくら替えする人も出てきた飲食業界。キッチンカーの製作を手掛ける村上舞さんは「コロナ禍をチャンスと捉えて勝負に出る人から依頼が来ている」といいます。平均的なキッチンカーの場合、一般的な飲食店の開業資金と比べると3分の1程度に抑えられるそう。
また、昨年6月に行われた食品衛生法の改正で、大型(約200L)の給排水タンクを設置すれば加熱など単純な調理をして売るだけでなく、車内で「仕込み」からできるように。「複数工程、複数品目の提供が可能になり、メニューの幅が広がるメリットが出ています」
あの伝説の移動販売車が復活
昨年10月、第二空港線で45年の歴史の幕を閉じた「ホットドッグ四ツ葉」。設備の老朽化が進み営業許可の問題で閉店しました。そこで、新オーナーとしてレシピを受け継ぎ新たなキッチンカーで営業を再開させたのが実は村上さんです。
こんなキッチンカーも!
キッチン・ハル 「キッチン・ハル」
ベース車両は1.5tトラックで、小規模店舗並みの厨房スペースを確保。バターチキンカリーやお弁当などを販売
WISHBONE 「WISHBONE」
ベース車両は軽トラック。車体前部をフランスの「シトロエン・バス」仕様に格好良くチェンジ。フライドチキンを販売