熊本・上通商店街 老舗で働く名物社員が愛される理由【昭和100年記念企画 】

ことしは「昭和100年」。熊本を代表する商店街の一つ、上通商店街にはカフェや飲食店、専門店が数多く並ぶことで有名ですが、実は、創業100年を超える店が15軒もあります! ベテラン社員や専門知識豊富なスタッフと“顔なじみ”になれるのも老舗が立ち並ぶ商店街を歩く楽しみの一つ。老舗で働く〝名物社員〟を訪ね、お客さまに愛されるワケを聞きました。また、昭和から令和までの上通アーケードの移り変わる街の様子を写真で振り返ります。
会うとなんだか元気がもらえる 老舗企業にこの人あり!
大谷楽器 武内桃子さん


中学、高校では吹奏楽部に所属。卒業後も社会人楽団で演奏を続ける中で、「好きな音楽を通して人を笑顔にできる仕事がしたい」と現在の職場に。


会話からファンが生まれる 音楽があふれる上通と共に歩む
大谷楽器の武内さんは入社10年目。吹奏楽部に所属した経験を生かし、初めて楽器を手にする小中学生からプロまで、幅広い要望に応えることで多くのファンを持つ名物社員です。
接客は「とにかくたくさん会話する」スタイル。演奏歴や音楽環境、好みなどを詳細に聞き取り、その人に合う楽器を提案しています。そうした姿勢が口コミで伝わり、”武内さん指名”で来店するお客も少なくありません。「上通は長く続く店が多く、文化や景観を大事にしています。ここで働く私にとっても居心地がいい場所」と穏やかに語る武内さん。これからもこの通りで音楽と共に歩みます。


すき焼加茂川 山下みきさん


創業145年の老舗すき焼き店の女将として働く傍ら、上通商栄会の理事や女性部会長も務める。三味線や大型バイクなど趣味も多彩。


変化を続ける老舗の女将、 日本の食文化の”伝道師”に
文豪・夏目漱石も訪れたという老舗。親・子・孫と世代を超えて通うお客さまもいるそう。「味を守るのではなく変化し続けたからこそ老舗になれた」と話すすき焼加茂川の山下さんは、今でも食材や味の探究を続けています。外国人客に対し、片言の外国語で話しかけ、自らおいしいすき焼きの作り方を伝授することも。日本の食文化を伝える“伝道師”役も担っています。


大宝堂上通本店 曽山忠吉さん


同社一筋で45年間勤務。モットーは「(お客さまに)笑顔になって帰ってもらうこと」。1級眼鏡作製技能士(国家資格)の資格を持つ。


朗らかな接客が笑顔を生む 若手の良きお手本に
創業118年を迎えた大宝堂と、3分の1超の歴史を共にしてきた曽山さん。布田善久社長は、「私が生まれる前から勤務している方。とても心強い存在」と言頼を寄せます。朗らかに接客に当たる姿は、若手社員の良き手本になっています。 曽山さん自身も「若い社員は優秀。『負けたな』と思ったら辞めます」と刺激を受けています。切磋琢磨しつつ、きょうも笑顔で店頭に立ちます。


蜂楽饅頭 井上ルミ子さん


40年以上勤務する、今では蜂楽饅頭の“顔”として誰もが知る存在。元気の源は、人と会うこととおしゃべりすること。


楽しく働き続けて40年 有名店の看板娘!
井上さんは長年、「蜂楽饅頭」の”看板娘”として親しまれています。「楽しく働かんと疲れるばっかりだけん」と、75歳の今も店頭でのレジや袋詰め、店内での接客と忙しく店を行き来します。店長の岡田さんは、「全体が見渡せるべテランさんで安心」と話します。「昔に比べてちょっと寂しくなったけど、まだまだ頑張っとる店も多かよ!」と井上さん。愛する上通でまだまだ現役を貫きます。


知ってた?上通アーケードのトリビア
長い歴史を誇る商店街だからこそ、意外と知らないトリビアが隠されています。
全国の商店街初!電子マネー導入
2003年、プリペイド型電子マネー「Edyカード」を、全国の商店街で初めて導入しました。今や当たり前になりつつあるキャッシュレス決済を先取り!


歩道に使われている木材は?
上通アーケード内の歩道には、木の板を敷き詰めた部分があります。これは南米産の「イペ」という木材で、現在の3代目アーケードになった際に設置されました。


現在のアーケードは3代目
1961年に熊本初の全蓋(ぜんがい)型オーニングとして完成した“初代”に始まり、1977年に2代目、1998年に現在のアーケードになりました。全長は約360m。


[NEW SHOP INFO]これから歴史を紡ぐ “新しいお店”も続々開店
老舗や専門店が軒を連ねる上通商店街に新しい風を吹かせるニューフェースも続々誕生!
台湾小吃 假鬼假怪(かくるかかい)|本場台湾の味
ユニークな店名は、台湾語のことわざで「全てお見通し」という意味。ルーロー飯や牛肉麺など、台湾でおなじみの「小吃(シャオツー)=B級グルメ」を本場の味でいただけます。


台湾小吃 假鬼假怪
住所 | 熊本市中央区上通町9‐6 |
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TEL | なし |
営業時間 | 11:30~14:30、17:30~20:00(土・日曜~20:30) |
休業日 | 月・火曜 |
@jiaguijiaguai_1 |
Art de Higo|芸術品のようなトルコ絨毯
まるで美術館のような空間に飾られたトルコ絨毯(じゅうたん)は、装飾品やインテリアというよりも芸術作品。手間暇かけて作られた1点物や貴重なアンティークの絨毯が並びます。


Art de Higo
住所 | 熊本市中央区上通町4‐16 池永興産ビル |
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TEL | 050-8893-9880 |
営業時間 | 10:00~19:00 |
休業日 | 火曜 |
@art_de_higo |
BONTEMPS(ぼんたん) 熊本上通店|韓国ドーナツ“クァベギ”のお店
今年6月にオープンした韓国式ねじりドーナツ“クァベギ”の店。1本1本、早朝から仕込みを行う味へのこだわりと、見た目のかわいさ抜群の豊富なトッピングが魅力です!


BONTEMPS熊本上通店
住所 | 熊本市中央区上通町2‐6 上通加茂川ビル1F |
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TEL | 050-8883-4324 |
営業時間 | 10:00~20:00(ただしドーナツがなくなり次第終了) |
休業日 | 年中無休 |
@bontemps_kumamoto |
上通アーケードの写真で昭和~令和を振り返る


上通商店街の魅力:「顔が見える店」が多い
上通一帯は西南戦争後に店ができ始めたと言われています。その後、少しずつ店が増え、商店街としての形ができ、1961(昭和36)年に現在のようなアーケード(当時は「オーニング」と呼んでいた)が付きました。
古い店は店舗兼住宅、もしくは店の近くに自宅のある人が多かったので、商店街の仲間であると同時に普段の暮らしでも近しい間柄でした。そのため、2代目、3代目に代替わりしても顔見知りなので仲が良く、店同士の横のつながりが強いのが特長です。また、今回紹介された“名物社員”のように「(スタッフの)顔が見える店」が多いのも魅力。訪れる皆さんに「あの人がいる店だから」と安心してもらえるとうれしいです。


上通商栄会を支えた田原誠也前会長が8月末に急逝されました。「私たちは遺志を継いで、これからも皆さまに愛される商店街を目指していきます」


大正・昭和時代から令和の現代まで どう変わった?
















上通イベント&インフォメーション
「第30回よかばい!くまもと新魅力発見 10000歩ご利益ウォーク」参加者募集中!
水前寺から上通までの八つの神社を巡ってスタンプを集めると、ホテル宿泊券や商品券など、豪華景品が当たる抽選会に参加できます。参加者全員に「ご利益手ぬぐい」をプレゼント。参加希望の方はこちらから申し込みを。
参加費 | 600円(税・保険料込)※中学生以下無料 |
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応募締切 | 10/15(水) |
問い合わせ先 | 綜合企画(株)「ご利益ウォーク」係 |
電話番号 | 050-3774-4625(平日10:00~17:00) |
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