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賃貸住宅でペットと暮らす

退去する日まで部屋を美しく保ちつつ、人とペットが快適に暮らすための方法

犬や猫などのペットは「大切な家族の一員」という考えが一般的になり、賃貸住宅でもペットを飼える物件が増えてきているそうです。退去する日まで部屋を美しく保ちつつ、人とペットが快適に暮らすための方法などを紹介します。

目次

ペットを飼育している人の推移

ペットフード協会が実施した全国犬猫飼育実態調査によると、2022年の全国推計飼育頭数は犬が705万3000頭、猫が883万7000頭。犬は微減、猫は、ほぼ横ばい状態が続いています。


賃貸でペットと幸せに 必要な対策はコレ!

近隣の人に配慮しながら、人とペット(犬や猫)が賃貸住宅で快適に暮らすためのポイントや、実際にペットと暮らす人の声を聞きました。

周囲への配慮としつけが大切

不動産会社「オウチラボ」は、35年前からペット飼育可能な賃貸物件を中心に仲介。不動産部部長の佐藤圭さんは「ペット関連市場の拡大が続き、賃貸でも一緒に住める物件が年々増えている」と話します。

ペットと一緒に住める賃貸住宅の場合、臭いが付きにくい壁紙や傷の入りにくい床材を使用し、専用の扉やコンセントを高い位置に付けるなど、共に暮らすことを前提とした工夫が施されているそうです。足音を気にせずに済むメゾネットタイプの住宅も人気といいます。

佐藤さんによると、多くの入居者は騒音を減らす「吸音マット」や爪とぎから壁を保護するシート、ペットケージなど、部屋を傷付けないための防護策を講じているそう。「周囲への配慮と『お互いさま』の気持ち、ペットへの適切なしつけも賃貸で暮らすには大切ですね」

教えてくれたのは

オウチラボ不動産部部長(二級建築士)
佐藤 圭さん

よくあるトラブルと対処法 Q&A

みんなで暮らしたいな!
[Q1]「ペット可」「ペット共生住宅」の違いは?何匹まで飼えるの?
A

「ペット可」とは、大家さんや不動産会社が定める条件を満たせば入居できる賃貸住宅です。「ペット共生住宅」は、住宅自体がペットと暮らすことを前提に建てられた家で、ペットにとって暮らしやすい設備が備えられています。いずれも飼育できる動物の種類や、品種、頭数、大きさなどに条件があるため、契約前に必ず確認しましょう。佐藤さんの会社では予防接種の証明書のほか、行方不明になった場合に備えペットの写真を入居者に提出してもらっています。

散歩にgo!
[Q2]廊下やエレベーターなど共有スペースの使い方は?
A

廊下や駐車場などの共有スペースでは、ペットを抱きかかえて移動させます。これは足音などの騒音防止と逃げ出して迷子になることを避けるためです。共有スペースでペットが粗相をしてしまった場合はそのままにせず、必ず飼い主が処理をしましょう。また、共有部分ではないものの、ベランダにペットを出すのは控えましょう。鳴き声が近隣とのトラブルになったり、脱走したりする恐れがあります。

[Q3]退去時の原状回復の費用が高額と聞いて心配です。実際は?
A

ペット飼育可能な住宅では入居時に敷金を通常より多く支払い、退去時の原状回復費用に充てることが一般的。「ペット可住宅の原状回復費用は高めになりますが、人だけで住んでいても傷が入ることはあるので入居者の心掛けが重要」と佐藤さん。費用は国交省による「原状回復のガイドライン」を基に、直す必要のある箇所を入居者と不動産会社の両者で確認、同意した上で算定されるそうです。


「ペット可賃貸」で暮らす人に聞きました!

Interview – ワンちゃんと暮らす Tさん、Kさん夫妻

帰宅時の出迎えが「幸せ」

昨年1月、犬を飼うためにペット可住宅に引っ越してきました。「こむぎ」は人懐こい性格。散歩をしている時にご近所の方に構ってもらうとうれしいようで、話すきっかけになっています。夫は「毎日早く家に帰りたい」と言うほど犬が癒やしになっていて、夫婦の話題の中心は”こむぎ”。帰宅すると出迎えてくれて、この生活は幸せの一言に尽きます。

想定外だったのは「こむぎ」のジャンプ力。入ってほしくない場所や傷が入りそうな壁をワイヤーネットでガードしていたのですが、あっさり跳び越えてしまいました。夫がワイヤーネットを足して高さを調節したので今のところは大丈夫そうです。ペットが気にしている所やひっかきそうだと感じた箇所があったら、すぐに防護した方がよいでしょう。そのほかに階段で足を滑らせて股関節を脱臼することもあると聞いたので、階段には滑り止めを付けました。ウェブカメラは不在時にペットの様子を確認できお勧めです。

楽しいワン!

Interview – ネコちゃんと暮らす まおさん、さとるさん夫妻

穏やかで癒やされる生活

ペット可物件の中でも猫2匹が飼える住宅は本当に少なく、やっと見つけた家です。2匹は保護猫なのですが、飼い始めた時期が異なるためか一緒に遊ぶというより、程よい距離感を保つ「同居人」のよう。私と夫にそれぞれ1匹ずつ寄り添ってくれて、穏やかで癒やされる生活です。

きれいな状態で退去したいので傷付けない工夫をしています。爪とぎは縄や段ボールなど質感の異なる物を複数用意し、猫の気分次第で選べるように。猫がリラックスして過ごせるよう隠れられるケージのほか、高さが天井まであるキャットタワー、タイマー式の自動給餌器を配置。夜中を含めて一日4回給餌するので夜は寝ていて静かです。

ただ、猫はどうしても餌や毛玉を吐くことがあります。そのためカーペットやクッションカバーなどの布類は、買い替えることを前提としています。空気清浄機を付けたり小まめに掃除したりすることで、猫と人がお互いに快適に暮らせるようにしています。

快適だにゃ〜

必要なしつけとは?

犬は社会化がしつけの第一歩 猫は観察し、好みを把握して

犬の場合は、生まれて2カ月以降の社会化期にさまざまな年代の人や動物、物音などに慣れさせるほか、飼い主とたくさん遊び、関係をつくることがしつけの第一歩。「待て」「伏せ」など飼い主の指示に従うようしつけましょう。

猫の場合はしつけが難しいので飼い主が猫をよく観察する必要があります。爪とぎやトイレの砂などは猫の好みに合う素材を把握し、飼い主が先回りして対策を。

教えてくれた人

ともだ動物病院 動物看護師
花田 安理さん

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

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