魅力満載の韓国南部の旅 APEC開催予定地・慶州(キョンジュ)を中心に、話題のグルメや観光地を紹介

韓国南部は、福岡空港から直行便で約1時間。九州からアクセスが良く、近くて身近な海外です。
今回、「韓国観光公社」の案内で、今秋のAPEC開催予定地である慶州(キョンジュ)市を中心に、韓国南部の魅力あふれるスポットを巡る旅に出かけてきました。旅行に参加したのは、K-popやグルメなど、韓国のトレンドが大好きなライター・尚。訪れた時はちょうど慶州で桜が満開になった日だったため、どの観光地でも桜がきれいに咲いていました。
歴史的な名所から最新のアート体験まで、多彩な魅力を持つ韓国南部の旅。その中でも特に印象に残ったスポットやグルメなどをご紹介します。
仏国寺(プルグクサ):新羅仏教文化の精髄




仏国寺は、きらびやかな新羅の仏教文化の中心をなす史跡です。751年に創建されたといわれるこの寺院は、1995年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。7つもの国宝が現存する仏国寺は、新羅仏教芸術の傑作と称えられています。




境内に一歩足を踏み入れると、その荘厳な雰囲気に圧倒されます。石造りの階段と柱が壮大に広がる様子は、まさに歴史の重みを感じさせます。訪れた日はちょうど桜が満開で、古代の建築美と春の華やかさが調和していました。花見や紅葉狩りの名所としても知られる仏国寺は、季節ごとに異なる表情を見せてくれそうです。
石窟庵(ソックラム):山中にたたずむ仏教美術の至宝


標高約750mの吐含山(トハムサン)中腹に位置する石窟庵は、仏国寺とともに世界文化遺産に登録されています。頑丈な人工ドームの下の円室に安置された本尊仏(写真)は、新羅仏教美術の神髄を全身で表現しています。


標高が高いので、駐車場からの眺望も良好。遠くまで見渡せる景色に心が洗われる思いでした。
駐車場から石窟庵までは、整備された山道を歩いて行きます。


本尊仏は撮影禁止ですが、ガラス張りの見学コースから拝むことができます。
静かに祈る人々の姿を見て、この場所が今も人々の心のより所となっていることを実感しました。
大陵苑(テルンウォン):古代の王墓群を巡る緑の公園


大陵苑は、約12万坪という広大な敷地に23基の古墳が並ぶ、慶州最大の古墳群です。中でも有名な天馬塚からは、金冠や腰帯など1万1500点余りの遺物が発掘されました。2000年にユネスコ世界遺産に登録された「慶州歴史遺跡地区」の一部です。
日本の古墳と似た雰囲気を感じさせる大陵苑ですが、その数の多さに驚かされました。


訪れた時期は桜が満開で、古墳の周りを桜並木が囲んでいて、幻想的な光景でした。観光客だけでなく地元の花見客も多く、春の訪れを喜ぶ賑やかな雰囲気に包まれていました。
ファンリダンギル:街歩きが楽しい!若者に人気の通り


ファンリダンギルは、約700mにわたって雑貨店、コスメ店、飲食店、コンビニ、カフェなどの店舗が並ぶ、おしゃれな通りです。古い韓屋(ハノク)や民家をリフォームした店舗が多く、レトロでモダンな雰囲気が漂います。




この通りを歩いていると、まるで韓国ドラマの中にいるような気分になります。外国人観光客だけでなく、地元の若者も多く見かけました。






そしてここでは、伝統衣装の韓服(ハンボク)を着て、街歩きを楽しめます。
私もお気に入りの1枚を選んで着替えました♪
韓服(ハンボク)を着てプリクラを撮ったり、雑貨やコスメのショッピングを楽しんだりと、時間があっという間に過ぎてしまいました。


おすすめグルメは食べ歩きにもピッタリな「10ウォンパン」。
焼きたてアツアツで、中に入ったとろけるチーズが絶品でした。
瞻星台(チョムソンデ):東洋最古の天文台


瞻星台は、東洋で現存する最も古い天文台です。新羅27代の善徳女王の時代に作られたこの建造物は、362個の石を使って27段に積み上げられています。全体の高さは9.17mで、1年を陰暦で計算した日数を象徴しているそうです。
夜はライトアップされ、昼間とはまた違った幻想的な風景を楽しめます。春は周囲に菜の花が咲き、秋はピンクミューリーが広がるそうで、季節ごとの美しさも魅力です。子どもたちが凧揚げを楽しむ姿も見かけ、古代と現代が融合する不思議な空間でした。
東宮(トングン)と月池(ウォルチ):幻想的な夜の風景


東宮と月池は、新羅時代の王宮の別宮があった場所です。674年に造られた月池は、「月の映る池」という意味を持ち、かつては貴族たちが船を浮かべて月見を楽しんだそうです。


特に夜のライトアップは格別の美しさです。水面に映る建物の姿が幻想的で、まるでタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。訪れた時期は、夜桜と相まって絶景を楽しむことができました。池の周りを一周歩くと、それぞれの角度で違った風景を楽しめるのも魅力的でした。
月精橋(ウォルジョンギョ):ライトアップされた木造橋の美しさは圧巻


月精橋は、統一新羅時代に建てられた橋を2018年に復元したものです。長さ66.15m、幅13m、高さ6mの国内最大規模の木造橋で、その姿は圧巻です。
夜のライトアップされた姿は特に美しく、水面に映る姿は息をのむほどでした。橋を渡って対岸に行くことができ、屋根の部分の美しい装飾にも目を奪われます。夜桜と月精橋のコラボレーションは、まさに絶景そのものでした。歴史的な建造物と現代の技術が融合したすばらしい景観に、時を忘れて見入ってしまいました。
ユッケビビンバ:新鮮な牛肉を味わえる慶州の名物料理


ユッケビビンバは、生の牛肉と野菜をご飯と一緒に混ぜて食べる料理です。新鮮な牛肉とさまざまな野菜が調和した、栄養バランスの良い一品です。
実際に食べてみると、野菜がたっぷりで重くなく、とても食べやすい印象でした。ご飯の量はそこまで多くないのですが、満腹感があり、ヘルシーな感じがします。小鉢のおかずが空くとすぐにお代わりを出してくれるサービスには驚きました。
韓定食:多彩な味わいを楽しむ伝統料理




韓定食は、メインのおかずとご飯を葉野菜に包んで食べるヘルシーな料理です。
プルコギなどのメイン料理に加え、多様な副菜が小皿に盛られて提供されます。
テーブルいっぱいに並ぶ多彩な料理に、目移りしてしまいます。メインのプルコギは日本人の口にも合う味付けで、ご飯がどんどん進みました。なんでも野菜に包んで食べるスタイルは新鮮で、健康的な印象を受けました。


最後に出されたカボチャのシッケ(韓国の伝統的な発酵飲料)は、日本の甘酒に似た味わいで、食事の締めくくりにぴったりでした。
福順都家(ボクスンドガ):伝統的なマッコリ造りを体験


蔚山(ウルサン)にある「福順都家」は、伝統的な手作り製法「ソン」でマッコリを造る醸造所です。


看板商品のソンマッコリは、アルコール度数6.5%で、天然の炭酸が入っているため、シャンパンのような飲み心地が特徴です。


マッコリ作り体験では、お米と麹と水を加えて混ぜる工程を行います。熟成に時間がかかるため、その場で持ち帰ることはできませんが、代わりにソンマッコリ1本をもらえます。
7種類のマッコリの飲み比べ体験もあり、それぞれ個性的な味わいを楽しめました。
アルテミュージアム:五感で楽しむデジタルアート空間


アルテミュージアムは、釜山(プサン)の影島(ヨンド)にある世界最大規模のイマーシブメディアアート展示館です。「永遠の自然」をテーマに、19のメディアアート作品が展示されています。




館内に入ると、まるで別世界に迷い込んだかのような感覚に陥ります。テーマに合わせた香りや演出が、その世界に入り込ませてくれます。花をテーマにしたエリアでは、ローズの香りが漂う中、花吹雪が舞う映像に囲まれ、まるで花園の中にいるような錯覚を覚えました。
子どもから大人まで、純粋に没入体験を楽しめる空間です。それぞれの作品で写真や動画撮影も楽しめますよ。
P-ARK:海を望む絶景カフェ


P-ARKは、アルテミュージアムの隣にある、クルーズ船のような外観が特徴的な大型カフェです。カフェ&ベーカリーは釜山最大規模で、160種類のパンが毎日完売するほどの人気を誇ります。


店内に入ると、その広さと開放感に圧倒されます。窓からは海が一望でき、まるで船の上にいるような気分になります。
若い人だけでなく、子どもから老人まで幅広い世代が訪れており、客席数が多いにもかかわらず満席でした。


ドリンク、パン、スイーツは、どれも写真映えする美しさで、味も抜群です。
「クムスポックク」(ふぐランチ定食):ミシュラン選出の名店


釜山の「クムスポックク」は、「ミシュランガイドソウル&釜山2024」のセレクテッドレストランに選出された、50年以上の歴史を持つ老舗料理店。今回いただいたのは「シマフグ」の定食です。


コースのメイン「ふぐスープ」は、ほどよい辛さで、フグの白身がさっぱりとしていておいしかったです。エノキやダイコン、ニラなどの野菜もたっぷり入っていました。




ふぐコラーゲン和えや皮の煮物、唐揚げなど、ふぐを贅沢に味わえる内容でした。


デザートのマッコリソフトクリームは、ほんのりとマッコリの風味がして、シナモンの香りがアクセントになっている大人の味で、とても印象的でした。
「ケミチプ」(ナッコプセ):地元で大人気の鍋料理


「ケミチプ」は、地元の人にも大人気の料理店です。店に入ると、行列ができるほどの人気ぶりに驚きました。看板メニューの「ナッコプセ」は、ナッチ(手長タコ)、コプチャン(ホルモン)、セウ(エビ)を炒めた料理です。


ナッコプセは、お店の人がテーブル上のコンロで調理してくれます。
出来上がった料理は、見た目は真っ赤で辛そうですが、辛い物が苦手な人でもおいしく食べられる絶妙な味付けでした。
プリプリとした食感の具材と秘伝のヤンニョム(薬味ダレ)が絶品で、韓国のりやニラキムチとご飯を混ぜて一緒に食べると、さらにおいしさが増します。


最後はちぢれ麺のラーメンで締めくくり、大満足の食事でした。
ヨット・ドローンショー:海上から楽しむ釜山の夜景


釜山の夜景とドローンショーを海上から楽しめるヨットツアーは、釜山観光の締めくくりにぴったりのアクティビティーです。橋のイルミネーションと市街地の夜景が織りなす光景は圧巻で、まるで宝石箱を開けたかのような美しさでした。


毎週土曜に行われるドローンショーは、広安大橋を背景に繰り広げられます。さまざまな形や文字を描き出し、技術の進歩を感じさせるすばらしいパフォーマンスでした。
船内ではフリードリンクも楽しめ、贅沢な時間を過ごすことができましたよ。
まとめ:韓国南部は、歴史や文化を体感し、多彩なグルメも楽しめる魅力的な場所だった
今回の旅は、歴史的な名所から最新のアート体験、そして絶品グルメまで、韓国の多彩な魅力を存分に味わうことができました。特に慶州市は、今秋のAPEC開催予定地として注目を集めていますが、その歴史的な価値と現代的な魅力が見事に調和した街並みに魅了されました。
桜満開の季節に訪れたことで、古代の遺跡と春の華やかさが織りなす特別な景色を楽しむことができたのも、今回の旅の大きな収穫でした。
韓国旅行を計画している方は、ぜひこの記事を参考に、自分だけの素敵な思い出づくりをしてみてはいかがでしょうか。