熊本の食材 味わう 初夏のセルフ晩酌
初夏の夕暮れは特別な時間。
旬の食材で手作りした肴(さかな)を並べたら、地元のお酒を用意して…。
少し早めの晩酌を楽しんでみませんか。
一年中で一番おいしい時季の食材を好みのお酒とともに味わう、大人のぜいたくです。
料理もお酒も地産地消で
お酒の肴には、新鮮でおいしい熊本の旬の食材を! フードコーディネーターの三星舞さんが、県産食材で手軽に作れるおつまみレシピ4品をレクチャー。さらに、ソムリエの米野真理子さんに、それぞれのおつまみに合うお酒をセレクトしてもらいました。
マリアージュのコツをつかめば おいしさの幅 さらに広がる
ナスやオクラ、ズッキーニ…。初夏を迎えた熊本には地元で採れた旬の食材がたくさん! みずみずしいからこそ、少ない調味料でもおいしく仕上がります。これにひと手間加えることで、季節感たっぷりの酒の肴に。いつもよりワンランク上の晩酌を楽しめます。
加えて、熊本は地元で造られるお酒の種類が豊富。世界貿易機関(WTO)から、地理的表示の産地指定を受けた球磨焼酎の蔵元が26、日本酒の蔵が11蔵あるほか、ワインやウイスキー、地ビールの醸造所も点在しています。
そこで今回は、初夏の晩酌にピッタリの旬の食材で作るおつまみレシピと、お酒の組み合わせ方をご紹介。マリアージュ(組み合わせ)のコツをつかめば、バリエーションは広がり、おいしさも倍増。地元で育った食材で手作りしたおつまみを地元のお酒で味わう、ぜいたくな時間を楽しみましょう!
旬の食材を使うと、お得でおいしい酒の肴に!
旬の食材は、時季になると直売所などに多く並ぶので安く手に入り、お得感も満載です。素材の良さを生かし、できるだけシンプルな調理法と調味料で味わいたいですね。黒こしょうや山椒(さんしょう)の実、七味唐辛子などのスパイスで味や香りのアクセントを付けることで、いつものおかずとは違う味わいを楽しめます。食器や酒器にもこだわり、晩酌タイムを上質な時間にしてくださいね。
フードコーディネーター 三星 舞さん
Instagram:@mitsuboshimai
オクラのお好み焼き
オクラのネバネバで、少ない材料でもフワフワ、モチモチの食感に。
赤ワインと相性ピッタリ。
焼きナスとアンチョビーのディップ
熊本特産のナス「ヒゴムラサキ」を焼いて、たたいて、アンチョビーを加えてディップに。
球磨焼酎が互いの個性を調和させます。
ズッキーニのフリット
分厚く切ったズッキーニを低めの温度で揚げるとモチモチに。
のり&塩の初夏の香りを楽しみながら、キリッと冷やした純米吟醸酒をグイッ!
鮎のコンフィ
青唐辛子と山椒の実が味の決め手。
手間をかけずに、普段のおかずとは一味違った焼酎に合うおつまみに。
晩酌の時間をより豊かに…
ソムリエ・エクセレンスの米野さんに聞きました
バラエティーに富んだ熊本のお酒
熊本は、吟醸酒を造るのに欠かせない“熊本酵母”を全酒蔵で守り伝えています。焼酎は、100%国産米を原料とする球磨焼酎をはじめ、県産の豊かな穀類を芋焼酎やジンなどに展開。そして熊本ワインは、今や引く手あまたの実力派。また、豊かな水を求めてビール工場やウイスキーの蒸留所も進出しています。世界を見渡しても、これほどバラエティーに富んだ酒を生み出している土地はないかも。こんな所に住んでいるのだから、地元のお酒を楽しまないのはもったいない!
料理とお酒の合わせ方の基本
日本酒や、米の蒸留酒である球磨焼酎は、料理との組み合わせに関して万能といわれます。一方、酸やタンニンが多いワインは、料理を選ぶものも少なくありません。合わせる際のヒントは、素材、調理法、使った調味料、料理の色です。例えば白身魚のタイ。お刺し身のカルパッチョならすっきりとした白ワインを、唐揚げなら辛口ロゼ、尾頭付きの煮付けなら間違いなく赤ワインが合います。ワインは、「魚には白、肉には赤」と考えず、料理の色を意識して合わせてみて。
酒器でもお酒を楽しんで
お酒の種類にこだわり過ぎず、器を選んでみることをおすすめします。例えば、焼酎ならシェリーグラスに、お湯割りにしたら蕎麦(そば)ちょこに。日本酒は、小ぶりのワイングラスはいかがでしょう。ワインは、磁器の器に注いで、その色をめでてみるのも面白いかも。
ソムリエ・エクセレンス
米野真理子さん
(一社)日本ソムリエ協会理事、ワインと食をテーマに楽しく学ぶワインスクール「ピエスコート」主宰。ワインだけでなく、日本酒や焼酎にも精通。お酒に関するコンサルタント、イベント企画、 講演活動などでも活躍中。