すぐに捨てなくていいんです… もっと気楽に! 整理収納
部屋を整理したいけれど、なかなか取り掛かれない。片付けても、片付けてもスッキリしない―と悩んでいる人はいませんか? でも、基本ルールを知れば、誰でも無理なく片付けができるようになるそうです。読者スタッフが、“気楽にできる”整理・収納のコツをプロに学びました。
基本押さえて いつもスッキリ
整理収納アドバイザーの岩見栄子さんが、整理・収納の基本的な考え方をレクチャー。岩見さんのメソッドを基に、読者スタッフが自宅の気になる場所のお片付けに挑戦しました。
モノの適正量を見極め、取り出しやすい場所に収納
上手に片付けるコツは、モノの使用頻度を基準にライフスタイルに合った適正量を見極め、取り出しやすい場所(定位置)に収納すること。メソッド通りに進めるだけで確実に整理整頓でき、スッキリを保てます。
モノを減らさなければ片付かないのは当然ですが、いるorいらないの二択で判断し、不用品をすぐに捨ててしまうのは、モノを大切にする人ほどストレスになりがち。「捨てなければよかった」という後悔が、モノを増やす、片付けられない原因になってしまうこともあるようです。
そこで、参考にしていただきたいのが「1日1つ手放す」の心得(後に紹介)です。少しずつモノを減らして、スッキリ片付いた家で一年を気持ち新たに過ごしましょう。
教えてくれたのは
整理収納アドバイザー1級、整理収納アドバイザー2級認定講師。家事のストレスから解放されるテクニックを伝えている
岩見先生のお片付けメソッド
(1)モノを分ける
片付けたい場所のモノを全部出して、「よく使うモノ」と「ほとんど使わないモノ」の2つに分けましょう。
Point
- 「よく使うモノ」の目安は、毎日~月1回程度使う
- 「ほとんど使わないモノ」の目安は、1年間で一度も使わない
- 迷ったら「ほとんど使わないモノ」へ
(2)モノの「居場所(定位置)」をつくる
モノの仕分けが終わったら、使用頻度や身長などに応じて、取り出しやすい場所を決めましょう。出し入れしやすいよう適度なゆとりを持たせると、リバウンドしにくい居場所をつくれます。
[CASE 1]シューズクローゼットをスッキリさせたい!
100均のシューズホルダーを使って、限られた収納スペースを最大限に使う努力をしています。でも子どもの靴やサンダルがごちゃごちゃしていて、スペースを有効に使えていません。
松永家の家族構成
- パパ…身長173cm
- ママ(松永さん)…149cm
- 長男(4歳)…105cm
- 長女(1歳)…78cm
Before
After
“管理できる量”決めてから整理を
Point(1)
冠婚葬祭用の履物のように、1年間で使う回数が少なかったり期間が短かったりするモノは、最上段の棚にまとめて収納を。靴箱に履物の名称を記入しておけば、中身がひと目で分かります。写真やイラストを使ったラベリングもお勧め。
Point(2)
身長に合わせ、上段からパパ、中段はママ、下段は子どもたちのスペースに。履物を出し入れする際、使い勝手の良い位置に使用頻度が高いモノを置くのがベストです。
Point(3)
靴のお手入れグッズや虫よけスプレー、靴ベラなど、玄関にあると便利なモノもシューズクローゼットに収納しました。
Point(4)
小さいサイズの子ども靴は、奥と手前の空間を使い分けて、使用頻度が低い長靴や夏のサンダルは奥に収納します。奥にある長靴を取り出しやすいよう、上の棚を高めに取り付けました。
Advice
シューズクローゼットのように収納スペースが限られた場所は、“管理できる量”を決めてから整理するのがセオリーです。そして、家族の身長や目線に合わせて収納場所を決めましょう。「子どものスペースがごちゃついて有効に使えていない」というお悩みには奥行きを利用。使用頻度が低い長靴や夏のサンダルを奥にしまうことで、出し入れしやすい手前のスペースに余裕が生まれます。
[CASE 2]子どもの学習道具の定位置を決めたい!
子どもの学習道具の定位置を決めかねており、毎朝、探すのにひと騒動。いらないプリントがたまりがちなのも悩みです。子ども自身で整理整頓できるようになるといいのですが…。
- 長男(10歳・小4)…身長134cm
- 次男(8歳・小2)… 〃 120cm
Before
After
“取り出しやすい仕組み”つくって
Point(1)
教科書とノートを立てる「マガジンラック」、学習道具を入れた「バスケット」、使い終わったプリント類を捨てる「ごみ箱」を近くに置くことで、座ったままスムーズに通学の準備ができます。また、座った状態でも目が届く位置に時間割や給食の献立表を貼り付けました。
Point(2)
なくなりがちな帽子は、粘着フックを三段ボックスに付けて定位置を固定しました。
Point(3)
マガジンラックの後ろに隠れて出し入れしにくかった習字道具と絵の具道具、鍵盤ハーモニカを手前に移動。倒れたりしないようディッシュラックやブックエンドを利用し、定位置をしっかり固定しました。
Point(4)
本が並ぶ棚スペースには2割程度の余裕を持たせ、気持ち良く出し入れができるようにしました。「読んだ本は右側から片付ける」というルールを決めておけば、“最近読んでいない本”が自然と左側にとどまるので、手放すときの目安にもなります。
Advice
子ども自身に整理整頓させたいのなら、“取り出しやすい仕組み”をつくるのが得策です。ポイントは「動線を短くする」ことと、「モノを取り出すまでの動作を少なくする」こと。毎日のように使うモノは、「腰から肩の高さくらいの間」にしまうようにしましょう。通学準備も、スムーズに完結できる流れをつくりました。
「1日1つ手放す」の心得
「ほとんど使わないモノ」は、部屋の奥にしまい込むと、家の中にずっと居残ります。常に確認できる所に置き、定期的にチェックしましょう。「なくても困らない」と思う気持ちが手放すきっかけにもなります。
捨てるのに抵抗がある人は、「譲る」「売る」「寄付」することを考えてみてはいかがでしょう。一日に1つずつ手放すことで身が軽くなる感覚を実感し、前向きな気持ちで片付けを楽しんでくださいね。
(岩見さん)
片付けを終えて…
きれいなシューズクローゼットをキープできそう
よく使う靴から、それぞれが取り出しやすい場所に片付けることで、出し入れ時のストレスが激減しました。スペースにゆとりができたことで子どもたちも片付けが上手にできるようになり、大満足です。
定位置が決まって 見た目も気持ちもスッキリ!
子どもたち自身で、自然と片付けができるようになりました。本人たちの行動パターンに合わせてモノの定位置を決めたことが効いているようです。見た目はもちろん、私の気持ちもスッキリしました。